目次
はじめに
「SOCアナリスト」という職種は、サイバーセキュリティの現場でよく耳にするようになりました。しかし、具体的に何をするのか、どんなスキルが必要なのか、イメージがつきにくい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SOCアナリストの役割や業務内容、キャリアの広がりについて整理します。
SOC(Security Operations Center)とは?
SOCは「Security Operations Center」の略で、企業や組織の セキュリティ監視の司令塔 です。
SIEM(ログ管理システム)やEDR(エンドポイント検知)といったツールを使い、日々のセキュリティイベントを監視・分析し、インシデントに対応します。
SOCの役割を一言でいうと、「攻撃をいち早く見つけ、被害を最小限に抑える」ことです。
SOCアナリストの仕事内容
SOCアナリストは、Tier(役割レベル)によって担当業務が分かれています。
- Tier1(一次対応)
- SIEMに上がったアラートを確認し、誤検知か本物かを切り分け
- 簡単な調査(ログ検索、IOC確認)
- 必要に応じてチケットを作成し、上位チームにエスカレーション
- Tier2(二次対応)
- 詳細な調査(攻撃経路の特定、横展開調査)
- 感染端末の隔離やアカウントの無効化など、封じ込め対応
- 検知ルールの改善、誤検知削減
- Tier3(高度分析・改善)
- マルウェア解析やフォレンジック調査
- 脅威インテリジェンスの収集・分析
- 検知ルールやプレイブックの開発
- SOC全体の運用改善
SOCアナリストに求められるスキル
SOCアナリストには、幅広いスキルが求められます。代表的なものは以下です。
- 技術的スキル
- ネットワーク(TCP/IP、FW、プロキシ、VPNなど)の理解
- OSの知識(Windowsイベントログ、Linux syslog)
- クラウド(AWS/Azure/GCP)の監査ログ理解
- SIEM/EDR/SOARといった製品の操作経験
- 分析スキル
- 大量のログから異常を見つける力
- IOC(IPアドレス、ドメイン、ハッシュ)を基にした調査能力
- MITRE ATT&CKを活用した攻撃手法の把握
- コミュニケーションスキル
- 顧客や社内関係者への報告・説明
- インシデント発生時の迅速な調整力
SOCアナリストのキャリアパス
SOCアナリストは、経験を積むことでさまざまなキャリアに進むことができます。
- SOCリーダー/マネージャー
- インシデントレスポンス(IR)スペシャリスト
- クラウドセキュリティエンジニア
- セキュリティコンサルタント
- レッドチーム/脅威ハンティング専門家
まとめ
SOCアナリストは、サイバー攻撃の最前線で「監視・調査・対応」を担う重要なポジションです。
最初は「アラートの確認」からスタートしても、経験を積むことで高度な分析や戦略的なセキュリティ施策にも関わることができます。
これからSOCアナリストを目指す方は、まずは基本的な攻撃手法やログの読み方を学びながら、実務経験を重ねていくのが良いでしょう。
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