目次
1. SOCアナリストの業務の特徴
SOC(Security Operations Center)の業務は、常に変化する攻撃に対応するため 「ルーティン作業+突発対応」 の組み合わせで成り立っています。
普段は監視やレポート作成といった定常業務を行いつつ、アラートが発生した場合は即座に調査・対応にシフトします。
2. 典型的な1日の流れ(例:日勤シフト)
09:00 出社・引き継ぎ
- 前シフト(夜勤)からの引き継ぎ確認
 - 重大インシデントが発生していないかチェック
 - アラート対応の未完了タスクを確認
 
09:30 定常監視
- SIEMダッシュボードで前日夜間のアラートをレビュー
 - 不審なログイン、通信の傾向を確認
 - 誤検知を排除し、本当に調査が必要なものを絞り込む(トリアージ)
 
11:00 アラート調査
- 優先度の高いアラートについて詳細調査
 - EDRのログ、Firewallログ、クラウドログを横断的に分析
 - IOC(不審IP、ドメイン、ハッシュ)を収集し、横展開調査を実施
 
12:30 ランチ・休憩
13:30 インシデント対応
- 感染端末の隔離、アカウントのリセットなど初動対応
 - 顧客や社内CSIRTへのエスカレーション
 - 必要に応じてプレイブックに沿った対応フローを実施
 
15:00 脆弱性・不審メール対応
- 脆弱性スキャン結果を確認し、優先度を評価
 - 不審メールの調査:添付ファイルやリンクの分析
 - 他のユーザーに同様のメールが届いていないか確認
 
16:30 レポート作成
- 日次レポート(検知数、重大アラート、対応状況)をまとめる
 - インシデント発生時は暫定報告書を作成し、関係者に共有
 
17:30 引き継ぎ・退勤
- 夜勤シフトへの引き継ぎ
 - 未解決インシデントや調査中のチケットを整理
 - 次のシフトがスムーズに対応できるようにドキュメント化
 
3. SOCアナリストの「突発対応」のリアル
実際の業務は、常にこのスケジュール通りに進むとは限りません。
- フィッシング攻撃が社内に拡散した → 緊急で全社対応
 - ランサムウェア感染の疑い → 端末隔離、経営層へ即時報告
 - クラウド上で不審なAPI利用 → SOCとクラウドチームで連携して対応
 
👉 「予定通りに進まない」 のがSOCの特徴です。柔軟な対応力が求められます。
4. SOCで働く上で意識すべきこと
- 時間管理:ルーティンと突発対応のバランスを意識する
 - コミュニケーション:他チーム(CSIRT、ネットワーク、クラウド担当)と連携を密に
 - ドキュメント化:調査内容を残すことが次回の効率化につながる
 - 継続学習:新しい攻撃手法やツールにキャッチアップする
 
5. まとめ
SOCアナリストの1日は「定常監視 → アラート対応 → レポート」が基本の流れです。
しかし、実際は突発インシデントに左右されることが多く、柔軟な対応力と冷静な判断力が求められます。
「毎日の積み重ね」と「突発対応の経験」 が、アナリストとしての成長につながります。

			
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