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ストレージ – Amazon S3

Amazon S3: クラウドストレージの概要と実務での活用

Amazon S3(Simple Storage Service)は、AWSのスケーラブルなオブジェクトストレージサービスで、データの保存と管理を容易に行えます。その耐久性、可用性、セキュリティ、スケーラビリティにより、幅広い用途で利用されています。本記事では、S3の概要から、主な特徴、設定手順、ソリューションアーキテクト向けのポイントまで詳しく解説します。


概要

Amazon S3は、ウェブベースのアプリケーション、データバックアップ、災害対策、ビッグデータ解析など、さまざまなニーズに対応できるオブジェクトストレージサービスです。ファイルをバケットに格納し、キーによって管理され、アクセス制御、セキュリティ、コスト最適化に役立つ多彩な機能を提供します。


主な特徴

  1. リクエスタ支払い
    S3バケットへのアクセスに伴うデータ転送費用をアクセス側が負担する設定で、特に大規模なデータ共有の際にバケット所有者の負担を軽減します。
  2. バージョニング
    バケットのバージョニングを有効にすると、オブジェクトの複数のバージョンを保持し、誤削除や上書きからデータを保護できます。
  3. オブジェクトキーとプレフィックス
    オブジェクトキーはバケット内のオブジェクトを一意に識別する文字列で、プレフィックスはオブジェクトを論理的にグループ化して管理しやすくします。
  4. ストレージクラス
    S3には、スタンダード、インフリクエントアクセス、グレイシャーなど、アクセス頻度やデータ保持期間に応じた複数のストレージクラスがあり、コストの最適化が可能です。
  5. ライフサイクルルール
    オブジェクトの移行や削除を自動化するルールを設定することで、データ保持ポリシーを効率的に実行し、不要なコスト削減が可能です。
  6. ボールトロックとオブジェクトロック
    グレイシャーのボールトロックはデータの長期保持に、オブジェクトロックはデータの削除や変更を防止するための機能です。データ保持ポリシーに沿った保護が行えます。
  7. バケットポリシーとアクセスポイント
    バケットやオブジェクトに対するアクセス制御をポリシーで設定し、アクセスポイントを使えば用途別にアクセス権限を細かく制御できます。
  8. インベントリ
    バケットの内容を定期的にリスト化して提供する機能で、データ管理やコンプライアンスチェックに役立ちます。
  9. イベント通知
    バケットのオブジェクトが追加・削除される際にSNS、SQS、Lambdaに通知を送信し、リアルタイムのイベント駆動型アプリケーションを構築できます。
  10. クロスリージョンレプリケーション(CRR)
    異なるリージョン間でオブジェクトを自動的にコピーし、地理的バックアップと耐障害性を強化します。

Amazon S3の構成要素

  1. S3 Transfer Acceleration
    S3 Transfer Accelerationは、インターネットを介してAmazon S3バケットに対するアップロード速度を改善する機能です。Amazon CloudFrontのグローバルエッジネットワークを活用して、アップロードデータを最寄りのエッジロケーションに転送し、最終的にS3バケットに届けるため、長距離の転送を高速化できます。
  2. バケット
    バケットは、S3内でオブジェクトを保存するためのコンテナです。バケットは一意の名前を持ち、データを整理するために使われます。バケットには、アクセス管理、データ保護、ストレージクラス設定など、オブジェクトの管理に関するさまざまな設定が含まれます。
  3. オブジェクト
    オブジェクトは、S3に保存されるデータそのものです。オブジェクトはデータ(ファイル)とメタデータ(オブジェクトの属性情報)から構成され、バケット内に格納されます。
  4. キー
    オブジェクトキーは、S3バケット内のオブジェクトを一意に識別するための名前です。キーは、バケット内のオブジェクトを検索するために使用されます。オブジェクトキーは、パスのように階層構造を持たせることができます。
  5. ストレージクラス
    S3のストレージクラスは、オブジェクトの保存方法を定義するものです。S3はさまざまなストレージクラスを提供しており、使用頻度やデータ保持要件に応じて選択できます。例えば、S3 Standard(標準)、S3 Intelligent-Tiering、S3 Glacier(アーカイブ用)などがあります。
  6. ライフサイクルルール
    ライフサイクルルールは、オブジェクトの保存と管理を自動化するために使用します。例えば、古くなったオブジェクトを別のストレージクラスに移行したり、削除したりする設定を行えます。これにより、コスト最適化が可能です。
  7. S3分析
    S3分析は、バケット内のオブジェクトの使用パターンを分析し、最適なストレージクラスへの移行を推奨する機能です。これにより、アクセス頻度に基づいてストレージクラスを自動的に変更するためのインサイトを得ることができます。
  8. バージョン管理(Versioning)
    バージョン管理を有効にすると、オブジェクトのすべての変更履歴を保持することができます。これにより、誤って削除や変更されたデータを復元することができます。
  9. CRR(クロスリージョンレプリケーション)
    CRRは、S3バケット内のオブジェクトを別のAWSリージョンに自動的に複製する機能です。これにより、データのバックアップ、地理的な可用性の向上、法的要件への準拠などを実現できます。
  10. 静的Webサイトホスティング
    S3は、静的なWebサイトをホスティングするために使用できます。バケット内のHTML、CSS、JavaScriptファイルを配信し、ユーザーにWebページとして提供します。
  11. ボールトロック(Vault Lock)
    ボールトロックは、Amazon S3 Glacierのストレージに対するデータロック機能です。特定のデータを変更不可にし、法令や規制要件に従って長期間保存するために使用されます。
  12. オブジェクトロック
    オブジェクトロックは、S3バケット内のオブジェクトを削除や上書きから保護する機能です。特に規制遵守やデータ保持ポリシーに基づき、データを一時的または永続的に保護するために使用されます。
  13. バケットポリシー
    バケットポリシーは、S3バケットへのアクセス制御を行うためのJSON形式のポリシーです。バケットポリシーを設定することで、アクセス権限を細かく管理し、誰がどのようにバケットにアクセスできるかを定義できます。
  14. ACL(アクセスコントロールリスト)
    ACLは、S3オブジェクトやバケットに対するアクセス権を管理するための設定です。バケットやオブジェクトに対して個別にアクセス権限を設定するために使用されます。
  15. アクセスポイント(Access Points)
    アクセスポイントは、S3バケットへのアクセスを簡素化し、複雑なアクセス要件に対応するための機能です。アクセスの管理や制御をより柔軟に行うことができます。
  16. イベント通知(Event Notifications)
    S3イベント通知は、S3バケット内でオブジェクトの作成、削除、更新などのイベントが発生した際に通知を送信する機能です。SNS、SQS、Lambdaなどと連携して、リアルタイムのデータ処理が可能です。
  17. Amazon S3 Object Lambda
    Amazon S3 Object Lambdaは、S3に保存されたオブジェクトに対してリクエストを受けた際に、リアルタイムで変更や処理を行うための機能です。オブジェクトの内容を変更して返すことができます。
  18. Amazon S3 インベントリ(Inventory)
    S3インベントリは、S3バケット内のオブジェクトのメタデータを定期的にリスト化する機能です。これにより、バケットの内容を把握し、データの監査や分析に役立てることができます。

Amazon S3 ストレージクラス

ストレージクラス名特徴取り出し時間可用性保存可用性ゾーン (AZ)
S3 Standard頻繁にアクセスされるデータのための高い耐久性とパフォーマンスミリ秒単位でアクセス99.99%複数AZ 3以上
S3 Intelligent-Tieringアクセスパターンに基づき自動でコスト効率の良いストレージ層に移行ミリ秒から数時間(層による)99.9%から99.999999999%(層による)複数AZ 3以上
S3 Standard-IA標準より低コスト。低頻度アクセスのデータで、必要時に迅速にアクセス可能ミリ秒単位でアクセス99.90%複数AZ 3以上
S3 One Zone-IAデータ取り出しに課金あり。低頻度アクセスのデータを単一のAZに保存ミリ秒単位でアクセス99.50%単一AZ
S3 Glacier Instant RetrievalOne Zone-IAより低コストだが、取り出しコストが高くなる。ミリ秒単位の取り出し時間を持つアーカイブデータ用ミリ秒単位で復元99.90%複数AZ 3以上
S3 Glacier Flexible Retrievalさらに低コストだが、取り出し時間が分から数時間のアーカイブデータ用数分から数時間99.99%複数AZ 3以上
S3 Glacier Deep Archive低コストだが取り出し時間が半日・数時間に及ぶ長期アーカイブデータ用最大12時間99.99%複数AZ 3以上

活用シナリオ

  1. データのバックアップと復旧
    バージョニングとクロスリージョンレプリケーションを利用して、データの多層バックアップと迅速なリカバリを実現します。
  2. データのアーカイブ
    ストレージクラスとライフサイクルルールを組み合わせ、使用頻度の低いデータをインフリクエントアクセスやグレイシャーに自動移行させ、コストを抑えます。
  3. 大規模データセットの共有
    リクエスタ支払いを有効にすることで、公開データセットを提供しつつ、アクセス者がデータ転送費用を負担できるようにします。
  4. リアルタイム通知を利用したアプリケーション
    イベント通知を活用して、オブジェクトの更新をトリガーにLambda関数を実行し、リアルタイムでのデータ処理を行います。

設定手順

  1. バケットの作成
    AWSマネジメントコンソールでS3バケットを作成し、バージョニングやリクエスタ支払いなどの設定を行います。
  2. アクセス制御の設定
    バケットポリシーやアクセスポイントを設定し、アクセス権限を制御します。また、必要に応じてオブジェクトロックやボールトロックを有効化します。
  3. ライフサイクルルールの設定
    バケットのライフサイクル設定から、データの自動移行や削除ルールを定義し、コスト管理と効率的なデータ保持を実現します。
  4. イベント通知の設定
    バケットのイベント通知設定から、SNSやLambdaへの通知を設定し、リアルタイムのデータ処理を有効にします。
  5. クロスリージョンレプリケーションの設定
    CRRを有効にし、バックアップやディザスタリカバリのためにデータを異なるリージョンに複製します。

ソリューションアーキテクトとしてのポイント

  • コスト最適化: データのアクセス頻度に応じて適切なストレージクラスを選び、ライフサイクルルールを活用して不要なデータ移行や削除を自動化することで、コスト削減が可能です。
  • セキュリティの強化: バケットポリシーやIAMポリシー、アクセスポイントを適切に設定し、オブジェクトロックやボールトロックを活用することで、データの安全性を確保します。特にコンプライアンスが求められるデータには、ボールトロックやオブジェクトロックを活用すると効果的です。
  • データの高可用性と耐障害性: バージョニングやクロスリージョンレプリケーションにより、データの耐障害性と可用性を高め、重要なデータの損失を防ぎます。
  • 自動化と運用効率化: インベントリやイベント通知機能を使い、バケットのメタデータ管理やリアルタイムのイベント駆動型アプリケーションの構築を効率化します。また、リクエスタ支払いを活用すれば、データ共有の際にコスト負担を分散させることができます。

Amazon S3は、高度なデータ管理と保護機能を備えたクラウドストレージの基盤です。データの保存、共有、保護を効率的に行い、コストの最適化も図れるため、ビジネスニーズに応じたストレージソリューションを構築する際に非常に有用です。

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