AWS データベース – Amazon Aurora Serverless

2024年11月11日

Amazon Aurora Serverless: 必要な時に自動でスケールするフルマネージドのリレーショナルデータベース

Amazon Aurora Serverlessは、MySQLおよびPostgreSQL互換のサーバーレスなリレーショナルデータベースサービスです。予測不能なトラフィックの増減に対応し、自動的にスケールするため、アプリケーションの使用量に合わせた柔軟なデータベース運用が可能です。

概要

Amazon Aurora Serverlessは、通常のAuroraデータベースのパワフルな機能を持ちながら、サーバーレスでの柔軟なスケーリングとコスト効率を提供するデータベースサービスです。トラフィックの増減に応じて自動的にキャパシティを調整し、必要なときにのみリソースを割り当てることで、コストを最適化します。

主な特徴

自動スケーリング
トラフィックの増減に応じて自動的にキャパシティを拡大・縮小するため、リソースの管理が不要です。低負荷時には最小のキャパシティで稼働し、ピーク時には即座にスケールアップします。
コスト効率
利用した分だけの課金体系を採用しているため、データベースの使用量が少ない場合にはコストが抑えられます。従来のデータベースのようにインスタンスを常時稼働させる必要がありません。
高可用性と耐久性
Auroraのバックエンドアーキテクチャによって、データは複数のAZにわたって自動的にレプリケーションされ、障害に対する耐久性が確保されています。

構成要素

Aurora Capacity Units (ACUs)
キャパシティは「Aurora Capacity Units（ACU）」で定義され、コンピューティングリソースが自動で調整されます。ACUは、アプリケーションのリクエストに基づいて増減し、データベースの負荷に応じて柔軟に対応します。
バックエンドストレージ
データはAuroraのバックエンドに保存され、複数のアベイラビリティゾーン（AZ）に分散してレプリケーションされます。これにより、高可用性と耐久性が保証されます。
オートパウズ（Auto Pause）
一定期間アクセスがない場合、データベースを自動で一時停止する機能です。再度アクセスがあるときに再開されるため、利用がない時にはコストが発生しません。

活用シナリオ

間欠的なトラフィックのあるアプリケーション
トラフィックが一定ではなく、間欠的なアクセスが予測されるアプリケーションに最適です。リクエストが少ない時にリソースが自動的に縮小されるため、コストの削減が可能です。
開発・テスト環境
短時間の利用が多い開発環境やテスト環境で、必要なときにだけデータベースを稼働させる用途に最適です。開発や検証の効率が向上します。
不定期の大量トラフィックが発生するイベントアプリケーション
イベントやキャンペーン時に一時的にトラフィックが増加する場合、Aurora Serverlessの自動スケーリングにより、ピーク時でも即座にリソースを確保できます。

設定手順

Aurora Serverlessクラスターの作成
RDSコンソールからAuroraデータベースを作成し、MySQLまたはPostgreSQL互換のAurora Serverlessを選択します。
キャパシティ設定
Aurora Capacity Units（ACU）の最小値と最大値を設定します。これにより、最小から最大までの範囲内で自動スケーリングが行われます。
オートパウズの設定
アクセスがない場合の自動一時停止を有効化し、一定期間後にデータベースが一時停止するように設定します。これにより、アイドルタイム中のコストが発生しません。
データベース接続とアプリケーション統合
作成したAurora Serverlessクラスターにアプリケーションを接続します。通常のAuroraと同様の接続エンドポイントを使用して接続可能です。
モニタリングと最適化
Amazon CloudWatchを使用してパフォーマンスとキャパシティの監視を行います。ACUの増減を観察し、最適なスケーリングが行われているかを確認します。

ソリューションアーキテクトとしてのポイント

リソース最適化とコスト効率: 自動スケーリングとオートパウズにより、最小限のリソースで必要なパフォーマンスが発揮されます。データベースの使用量が少ない場合や間欠的に発生するトラフィックに対して、従量課金モデルで最適化されたコスト管理が可能です。
高可用性と耐障害性の確保: 複数のAZにわたるバックエンドストレージが提供されるため、耐障害性が高く、ミッションクリティカルなデータも安全に保管できます。データの可用性に対する信頼性が求められる場合でも安心して利用可能です。
サーバーレス環境に適応する柔軟性: Serverlessアーキテクチャを導入しているアプリケーションとの親和性が高く、AWS Lambdaなどのサーバーレスサービスと組み合わせることで、完全なサーバーレスソリューションを実現できます。
ピーク時のキャパシティ調整: ピーク時には自動的にスケールアップし、ユーザー体験を損なうことなく対応可能です。トラフィックの変動が大きい場合や予測が難しい場合に、効率的にリソースを利用できます。