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ストレージ – Amazon Elastic File System (Amazon EFS)

Amazon Elastic File System (Amazon EFS): スケーラブルで高可用性のファイルストレージ

Amazon Elastic File System (Amazon EFS) は、AWSが提供するスケーラブルで高可用性のマネージドファイルストレージサービスです。共有ストレージが求められるアプリケーションや分散環境で、簡単かつ効率的にデータを保存・管理できます。


概要

Amazon EFSは、AWSクラウド内で複数のEC2インスタンスや他のサービス間で共有できるネットワークファイルシステムを提供します。EFSは自動的にスケーリングし、従量課金制で柔軟なストレージ容量を利用可能です。また、AWSサービスやオンプレミス環境との統合が可能で、さまざまなユースケースに対応します。


主な特徴

  1. スケーラビリティと柔軟性
    EFSはデータ量に応じてストレージ容量を自動でスケーリングします。容量を事前に予測する必要がなく、アプリケーションの成長に合わせて柔軟に対応可能です。
  2. 高可用性と耐久性
    EFSはデータを複数のアベイラビリティゾーン(AZ)にわたって自動的に複製し、耐障害性を提供します。これにより、データ損失のリスクを最小限に抑えます。
  3. アクセスの簡素化
    NFS(Network File System)プロトコルを使用して、EC2インスタンスや他のサービスから簡単にアクセスできます。ファイルシステムはLinuxベースのワークロードに最適です。
  4. ストレージクラスによるコスト最適化
    頻繁にアクセスされるデータ向けの「Standard」と、低頻度アクセス向けの「Infrequent Access(IA)」という2種類のストレージクラスを提供し、コスト効率を最大化します。

構成要素

  1. ストレージクラス
    • Standard: 頻繁にアクセスされるデータ向けで、低レイテンシと高スループットを提供します。
    • Infrequent Access(IA): 低頻度アクセスのデータ向けで、ストレージコストを削減可能です。アクセス頻度が少ないデータのバックアップやアーカイブに適しています。
  2. アクセス制御
    • IAMポリシー: AWS Identity and Access Management(IAM)ポリシーを使用して、EFSリソースへのアクセスを制御できます。
    • セキュリティグループ: EFSマウントターゲットはセキュリティグループで保護され、特定のインスタンスやサービスからのアクセスを許可します。
    • POSIXアクセス制御: UNIXライクなファイルシステム権限(ユーザー、グループ、その他)を使用して、ファイル単位でのアクセス権を管理します。

活用シナリオ

  1. Webサーバークラスタの共有ストレージ
    複数のEC2インスタンス間でWebサーバーのデータやアプリケーション設定を共有し、一貫性と高可用性を確保します。
  2. ビッグデータ分析
    大規模なデータセットをEFSに保存し、複数の分析ツールやジョブが同時にデータへアクセス可能な環境を提供します。
  3. コンテナの永続ストレージ
    Amazon ECSやEKS(Kubernetes)で動作するコンテナアプリケーションに対して永続的なファイルストレージを提供します。
  4. バックアップとアーカイブ
    EFS Infrequent Accessを使用して、低頻度のデータバックアップやアーカイブをコスト効率よく実現します。

設定手順

  1. EFSファイルシステムの作成
    AWSマネジメントコンソールでEFSファイルシステムを作成します。ファイルシステムを利用するリージョンとVPCを選択します。
  2. マウントターゲットの設定
    EFSファイルシステムにマウントターゲットを作成します。VPC内の各サブネットに対してマウントターゲットを設定し、セキュリティグループを適用します。
  3. セキュリティ設定
    IAMポリシーやセキュリティグループを設定して、特定のインスタンスやサービスからのアクセスを許可します。
  4. ストレージクラスの選択
    デフォルトのStandardクラスで開始し、必要に応じてInfrequent Access(IA)への移行ポリシーを設定します。ライフサイクル管理を有効にすることで、使用頻度に基づいたデータ移行が自動化されます。
  5. EC2インスタンスへのマウント
    NFSプロトコルを使用して、EFSファイルシステムをEC2インスタンスにマウントします。適切なNFSクライアントをインストールし、指定されたマウントポイントを使用します。

ソリューションアーキテクトとしてのポイント

  • ストレージクラスの選択と最適化
    頻繁にアクセスされるデータはStandardクラス、低頻度アクセスデータはIAクラスを活用することで、コストとパフォーマンスのバランスを最適化します。ライフサイクル管理を有効にして、自動的にデータを適切なクラスに移行します。
  • アクセス制御の強化
    IAMポリシーとセキュリティグループを組み合わせて、EFSへのアクセスを厳密に管理します。また、POSIXアクセス制御を使用して、ファイルレベルでの詳細なアクセス権を設定します。
  • 高可用性の設計
    マルチAZにまたがるEFSの耐障害性を活用し、重要なデータを高可用性環境で保護します。アプリケーションが一貫してデータにアクセスできる設計を心がけます。
  • コンテナおよび分散システムでの利用
    Amazon ECSやEKSで動作する分散システムに永続ストレージを提供することで、アプリケーションの信頼性を向上させます。

Amazon Elastic File System (Amazon EFS) は、高いスケーラビリティと柔軟性を提供するクラウドファイルストレージサービスとして、さまざまなアプリケーションのデータストレージ要件に応えます。正しい構成と管理ポリシーを活用し、EFSの特性を最大限に活かしましょう。

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