AWS Schema Conversion Tool (AWS SCT): データベース移行を簡素化するツール

2024年12月18日

概要

AWS Schema Conversion Tool (AWS SCT) は、異なるデータベースエンジン間でのスキーマ変換を支援するツールです。オンプレミスやクラウド上のデータベースから、Amazon Aurora、RDS、Redshift などの AWS マネージドデータベースに移行する際に、スキーマとコードの互換性を自動的に変換します。これにより、手動作業の負担を大幅に軽減し、移行プロセスを効率化します。

主な特徴

スキーマ変換: 異なるデータベースエンジン間でのテーブルスキーマ、インデックス、ビューの変換を自動化
コード変換: ストアドプロシージャ、トリガー、関数の変換に対応
互換性レポート: 変換できない要素を特定し、修正ポイントを提示する詳細なレポートを提供
Redshift 対応: データウェアハウスの移行プロセスを最適化
複数ソースサポート: Oracle、Microsoft SQL Server、MySQL、PostgreSQL などの主要なデータベースをサポート
GUI サポート: 直感的なインターフェースでスキーマ変換を管理

構成要素

ソースデータベース: 変換対象となるデータベース (例: Oracle、SQL Server)
ターゲットデータベース: 移行先の AWS マネージドデータベース (例: Amazon Aurora、Amazon Redshift)
変換マッピング: ソースとターゲット間のデータ型や構成の変換ルール
互換性レポート: 移行可能な要素と修正が必要な要素を詳細にリストアップ
コード変換: ストアドプロシージャや関数の移行に向けたコード変換

活用シナリオ

オンプレミスからクラウドへの移行: Oracle や SQL Server を Amazon Aurora や RDS に移行
データウェアハウスのモダナイゼーション: オンプレミスのデータウェアハウスを Amazon Redshift に移行
ハイブリッド環境の統合: 異なるデータベース間でのデータ統合プロジェクト
コスト削減: ライセンスコスト削減のためにオープンソースベースのデータベースに移行

設定手順

AWS SCT のインストール
AWS SCT を AWS サイトからダウンロードしてインストール
サポートされている OS (Windows、Mac、Linux) を選択
ソースとターゲットの設定
ソースデータベースとターゲットデータベースの接続設定を構成
必要に応じてデータベース認証情報を設定
スキーマ変換の実行
接続後、AWS SCT を使用してスキーマ変換を実行
自動変換が可能な要素は即座に適用され、互換性レポートに結果が表示
互換性レポートの確認
レポートを確認して手動修正が必要な部分を特定
修正箇所のコードサンプルと推奨変更案を活用
スキーマのデプロイ
変換されたスキーマをターゲットデータベースにデプロイ
AWS SCT を使用して直接デプロイするか、スクリプトをエクスポートして手動で適用
データ移行
AWS Database Migration Service (AWS DMS) と連携してデータを移行

ソリューションアーキテクトとしてのポイント

移行計画: AWS SCT と AWS DMS を組み合わせて、スムーズな移行を計画
互換性の確保: スキーマ変換後、互換性レポートを活用して手動修正を実施
コスト管理: オープンソースデータベースや Amazon Aurora への移行でコストを最適化
高可用性: 移行後、ターゲットデータベースのリダンダンシーを設計

Data Engineer としてのポイント

データ型の変換: ソースとターゲット間のデータ型マッピングを確認して修正
コード最適化: AWS SCT が提供するコード変換ツールで SQL クエリやストアドプロシージャを最適化
データ移行: AWS DMS を使用してリアルタイムでデータを移行し、ダウンタイムを最小化
テストと検証: 移行後のデータとスキーマをテストして正確性を確認

よく使われる操作例

スキーマ変換の実行
ソースデータベースに接続し、スキーマ変換を実行してターゲットにエクスポート
互換性レポートの生成
レポートを生成して変換可能な要素と手動修正が必要な部分を特定
AWS DMS との連携
SCT で変換後、DMS を使用してデータを移行

まとめ

AWS Schema Conversion Tool (AWS SCT) は、異なるデータベースエンジン間のスキーマ変換とコード変換を効率化する強力なツールです。AWS DMS と組み合わせることで、データベース移行の複雑さを軽減し、迅速な移行を実現します。オンプレミスからクラウドへの移行やデータベースのモダナイゼーションに最適な選択肢です。