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【実務編:第23回】不審メールや脆弱性への対応・調査・分析業務

目次

1. 不審メール対応の基本フロー

(1) 初動(検知と報告)

  • メールゲートウェイやEDRが 添付ファイル付きメール不審リンク を検知
  • SOCアナリストは検知ログを確認し、該当ユーザーや受信範囲を把握

(2) 調査

  • ヘッダ分析:送信元ドメイン、SPF/DKIM/DMARCの認証結果
  • IOC抽出:添付ファイルのハッシュ、リンクURL、送信元IP
  • ユーザー確認:メールを開封・クリックしたかヒアリング

(3) 対応

  • メールの隔離・削除(全社に配信された場合は一括対応)
  • 開封してしまった端末はEDRで隔離し、ログを調査
  • IOCをSIEMに投入して横展開調査

    横展開調査とは?
    ある1件のインシデントやIOC(Indicator of Compromise:攻撃の痕跡)が見つかったときに、
    「同じ攻撃が他のユーザーやシステムに広がっていないか」 を確認する調査のことです。
    例1:あるユーザーのPCで「invoice.pdf」のマルウェアが見つかった
     → 他のユーザーにも同じ添付メールが届いていないか調べる
    例2:ある端末から不審なC2サーバー(攻撃者の制御サーバー)に通信があった
     → 他の端末も同じIPに通信していないかログで横断的に調査する
    例3:特定の脆弱性を突いた攻撃が検知された
     → 社内の他のサーバーにも未対応の脆弱性が残っていないか確認する

    実務での流れ
    1.IOCを特定する
    ・ハッシュ値(不審ファイル)
    ・攻撃者IPやドメイン
    ・URL(フィッシングサイト)
    ・ユーザーアカウント
    2.横展開検索
    ・SIEMでログを検索(「同じIOCが他でも検出されていないか」)
    ・EDRで端末を横断してプロセス実行履歴やファイルの存在を確認
    3.影響範囲を特定
    ・感染は1端末だけか、複数に広がっているかを確認
    ・もし複数あれば全体対応に切り替える

(4) 報告

  • ユーザーに注意喚起(「このメールは開かないでください」)
  • 経営層・関係部署へ影響範囲をレポート

2. 脆弱性対応の基本フロー

(1) 情報収集

  • NVD(National Vulnerability Database)やJPCERT/CCの脆弱性情報を定期確認
  • SIEMやVM(Vulnerability Management)ツールからスキャン結果を入手

(2) 分析

  • CVSSスコアでリスクを評価
    • Critical/High:即時対応が必要
    • Medium/Low:計画的に対応可能
  • 攻撃コードが公開されているか(Exploit有無)を確認
  • 影響範囲を洗い出す(対象サーバー・アプリケーション・クラウドリソース)

(3) 対応

  • 短期対応:一時的なアクセス制御、WAFルール追加
  • 長期対応:パッチ適用、バージョンアップ、再構築

(4) 報告

  • 定例レポートにまとめ、管理者や経営層に提示
  • 「どの脆弱性に対応したか」「残リスクがあるか」を明確化

3. SOCでの調査・分析の具体例

(不審メールのログ例:SIEM)

2025-09-18 09:32:15
User: j.sato@example.com
Subject: "Urgent: Invoice attached"
Attachment: invoice.pdf (SHA256: ab12cd34...)
Sender IP: 203.0.113.50
Result: Suspicious - Detected by AV engine

👉 添付ファイルのハッシュをVirusTotalで確認、同一IOCが過去に使われていないか調査。


(脆弱性スキャンの結果例)

Host: web01.example.com
Vulnerability: CVE-2024-12345
CVSS Score: 9.8 (Critical)
Service: Apache 2.4.48
Description: Remote code execution vulnerability

👉 直ちに影響サーバーを特定し、WAFで一時的に防御。パッチ適用スケジュールをインフラチームと調整。


4. SOCアナリストが意識すべきポイント

  • スピード重視:不審メールや脆弱性は「対応の早さ」が被害の有無を決める
  • ログを証拠化:後でインシデント報告に使えるよう、必ず調査ログを残す
  • 再発防止:ユーザー教育、検知ルール改善、定期的な脆弱性管理サイクル

5. まとめ

  • 不審メール対応は「検知 → ヘッダ・IOC分析 → 隔離・削除 → 横展開調査 → 報告」の流れ
  • 脆弱性対応は「情報収集 → リスク分析 → 短期・長期対応 → 報告」で進める
  • SOCアナリストは「日々の小さな兆候」から攻撃の全体像を捉える目を養うことが重要
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