求人票でいう「不審メール対応を含む実務経験」とは、ただ「怪しいメールを見たことがある」ではなく、SOCでインシデント対応プロセスに基づいて実際に調査・処置を行った経験を指します。
📧 SOCがやる不審メール対応の実務
目次
1. 不審メールの受付・一次分析
- 社員や顧客から「怪しいメールが届いた」と報告を受ける
- 受信サーバのログやメールヘッダーを収集
- SPF/DKIM/DMARCの認証結果、送信IP、FromとReturn-Pathの整合性、エンコード形式を確認
👉 「これはフィッシング?スパム?マルウェア配布?」を初期判断
2. 添付ファイル・URLの解析
- 添付ファイル → サンドボックス(Cuckoo, FireEye, Palo Alto WildFire など)で動作分析
- URL → ブラウザ隔離環境や URL reputation(VirusTotal, Cisco Talos, Google Safe Browsingなど)で確認
👉 「実際にマルウェアを落とすのか」「偽ログインページか」を調査
3. 横展開調査
- 受信メールログで「同じ不審メールを誰が受け取っているか」を確認
- SIEMやログ検索で「社内の他ユーザに同一件名・同一URLのメールが届いていないか」を調査
👉 拡散規模を把握
4. 封じ込め・除去
- 受信メールボックスから該当メールを削除(Exchange, O365, Gmail 管理者コンソールなど)
- 送信ドメインやIPをメールゲートウェイでブロック
- URLをプロキシ/ファイアウォールで遮断
👉 被害が出る前にアクセスできなくする
5. 被害有無の確認
- ユーザがリンクをクリックしたか?添付を開いたか?EDR/ログで確認
- 感染兆候(不審プロセス、通信先)を調査
👉 実被害があればインシデント対応にエスカレーション
6. 報告・教育
- インシデント管理システム(ServiceNow, Jira, Excel台帳など)に記録
- 上長や顧客へ報告(「不審メールXX件、全削除、被害なし」など)
- ユーザ教育(「この手の件名はクリックしないでください」など周知)
✅ まとめ
SOCにおける「不審メール対応」とは、
- 不審メールを収集・分析(ヘッダー解析、添付・URL確認)
- 横展開調査(誰が受け取ったか、被害範囲は?)
- 封じ込めと除去(メール削除、URL遮断)
- 被害確認(感染端末があるか調査)
- 報告・教育(関係者へのエスカレーションと利用者周知)
という 実務オペレーション一連の流れを指します。
👉 面接で聞かれたときは、
「不審メールを受け取った際に、ヘッダー分析やサンドボックス解析を行い、横展開調査で受信範囲を確認、影響メールを削除し、FWやゲートウェイでブロック、最終的に被害なしを確認して報告しました」
と答えると具体的で評価されやすいですよ。
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